カテゴリー : 知識・勉強
2018.7.5 13:50

 5月25日に行われたJERCO((社)日本住宅リフォーム産業協会)主催による勉強会に参加してきた。今回のメインテーマは『木造住宅の雨漏り、劣化リスクを考える』。

 講演のトップバッターで、この“雨漏り”の第一人者、東海大学名誉教授の石川廣三先生は『雨仕舞の基本』をテーマにされ、“雨漏り”(若しくは、漏水)の原因は、「構造性能や省エネ性能は向上しても、建築の根源的は働き-雨露をしのぐ-事が果たせない実態が有る」とおっしゃる。

 その根底には、
 ① 防水材料の普及と過度な依存
 ②  雨と建物の関わり、建物表面や内部での雨水の動きを考えない設計
 ③  防水ラインが破城すると雨水に対して無防備な建物が増えている
 が有るが、
 1) 雨の降り方を考え、雨水が建物にかかるのを軽減する
 2) 建物にかかってしまった雨水の動きと対策、隙間から入ってしまった雨水の動きと対策(水抜き)をしっかり行えば、”雨漏り”が起こることは少なくなるとのご教授だ。

 石川先生の講演を受けて建材メーカーの田島ルーフィング㈱(“防水”に関する資材を販売)の高山氏からは、防水工事の工法を映した動画を見ながら、
 ①  正しい施工手順(下側から施工)と施工方法(重ね合わせ部分を作る)で行う
 ②  取り合い部は配慮が必要(重ね合わせの順を考慮し、しっかりと密着させる)
 と説明が有った。

 続いては、住宅保証機構㈱(建設業者向けの保険会社。建物に万が一瑕疵があった時の保証)の浅沼氏が保健事故(雨漏り、漏水)の実例を検証写真と共に説明され、下記の様に事故分析をされている。
 ① 9割強が外壁・屋根からの雨漏り
 ②  手順や方法が間違っている事が被害につながっている
 「せっかく修理を行っても、また同じ間違いで事故が起こってしまっている」とし、高山氏、浅沼氏のお二人は共通して、
 「『基本を守る事』。それは、適正な材料を、正しい施工手順と施工方法と守る。そうすれば雨漏り(漏水)は防げる」
 という言葉で講話を閉められた。

 これから、雨の季節だ。梅雨から始まり夏の台風、秋の長雨。
 浅沼氏の話しの中にも、これからの時期に雨漏り事故が多発するとの言葉があった。
 改めて『基本』の一つを考える貴重な時間となった。

わたなべ きょうこ

カテゴリー : その他
2018.6.10 11:20

今年のはじめ頃に、「木の端材をもらえませんか」とお店に見えて方がいらっしゃいました。木彫りをしていてその材料が欲しいとの事でした。作業場にある廃棄箱の中にあるものを見ていただき、数点持ち帰られました。

そんな事はすっかり忘れていた5月に、その方からメールをいただきました。ねこの木彫りを作ったので見てほしいとの事でした。

再び来店され、持参されてきた木彫りを見てびっくりしました。よくできたきれいな杢目のねこがいました。美しいといった感じでしょうか。

その方は西品川のマンションにお住まいで、定年後、いろいろな木でいろいろなものを掘る事をライフワークにされているそうです。

ねこを掘った木は、米栂と言って主に家の構造材にも使用されるものでした。今回は米松やタモ、ラワンなど別の樹種の材料を持って行かれました。今度はどんなものができるのでしょうか。

当社が10月に出店予定している夢さん橋にも一緒に出ませんかとお誘いしています。

森の木の出口が又一つ増えたようです。

池田浩康

 

 

 

 

 

 

カテゴリー : その他
2018.5.6 11:59

古民家再生の民泊に泊まりました。 新潟佐渡で古い建物を利用して、12帖ほどの部屋にいろりのついたゆったり空間です。窓の外には雉や燕や鳶、時には朱鷺(とき)が舞い降りる緑の田畑が広がっています。 横浜在住の大村さんご夫妻が、建築士のご主人の設計で、奥様の実家の建物をリニューアルしたもので、これから民泊にしていきたいと考えてらっしゃいます。 私は都内の仕事ですので、古民家再生に触れる機会もなかったのですが、今回宿泊する機会を得ました。 元の建物の柱や梁をきれいに表しながら、それらの柱や梁が新しく基礎から造った構造と一緒に建物を支えている様子がわかります。 夜に寝ながら下から見上げると、かつての家人が見上げたのと同じ梁が、同じ役割を果たしていました。 当社ウッドコミュニケーション事業部担当で、私の家内の三和子さんが大学の公開講座で大村さんの奥様と知り合いになり、今回宿泊する事になりました。 ご主人と私も建築士であること、同じ大学(私は商学部出身の二級建築士ですが)で歳も1歳違いと共通することが多く、話がつきませんでした。 又、朱鷺保護に代表される自然保護活動や佐渡金山の歴史、産業遺構など佐渡を知る事ができる機会になりました。

池田浩康

カテゴリー : その他
2017.11.21 10:30

夢さん橋で木のキューブを買っていただいた方から「こんな風に使いました」と写真をいただきました。

今回買っていただいたのは、「イペ」という木のキューブです。

公園や家のテラスのデッキの材料になります。硬くて重たい木です。耐候性に優れていて、外で使っても色は変わりますが、腐ったり崩れたりすることはありません。

この重くて硬い木をステレオの台にすると音がよくなるのだそうです。

こだわる人にはわかる違いがあるようです。

夢さん橋に出してみたからこそ見つかった新しい木の使われ方だと思います。

池田浩康

カテゴリー : その他
2017.8.9 14:59

私は材木屋の店主ですので、視察、視察とついつい木曽桧のことばかり書いてしまいました。

木曽川と豊かな山と森、それに沿って人が行き来する中山道にまつわるものが木曽の見どころです。

赤沢森林にはかつて木材の搬出の為に施設された森林鉄道が、今は観光用として復活し、森の奥まで私たちを運んでくれました。あまり歩けなくても充分に森を感じることができます。森の中に入るとセラピー効果でストレスも少し和らいだような気がしました。森林セラピーを唱え始めたのはここ木曽だそうです。名古屋方面からの若い人たちは水着を着て川遊びに来ています。阿寺渓谷には川に飛び込むポイントがあったり、赤沢には子どもたち向けのスライダーもあったりします。もう少し若かったら飛び込みたい気分でした。有名な妻籠宿にはたくさんの外国人が来ていました。彼らにとってはこれぞにっぽんでしょう。又資料館では当時の暮らしぶりや木材を川を使って運び出す様子を知ることができました。木曽の木材が材料として品質がよく貴重なものというだけでなく、江戸や大坂などに運ぶこと自体が大変な貴重品だったのだと思いました。私は品川で現存する明治時代の医院の改修工事に携わったことがあります。柱や梁に明らかに古材と思われるもが使われているのを見ました。木材が貴重品だったから、その前にあった建物の柱や梁で、まだ使えるものは使ったのだとその時想像していました。木曽の材木出しの様子を知って確信しました。今年の上松の町の夏祭りは子どもたちが曳くお木曳きが巡行していました。伊勢神宮の次の式年遷宮はこの町では今年から始まるのだそうです。伊勢でお木曳をしましたので親近感を感じました。

東京から車で4時間。山脈の向こう側のイメージがあり、今まで来た事がありませんでした。視察がメインでしたが、ゆっくりした時間を感じられる旅になりました。

池田浩康

カテゴリー : その他
2017.8.6 18:38

私は材木屋の店主ですが、木材の市場にもあまり行ったことがありません。それじゃどうやって材木を仕入れてるの?って思われるかもしれません。昭和40年代、父が店主の頃は、市場で競りが日常の商い慣習として行われていて、父も市場の競りで引き当てないと仕入れが滞り、商売ができなくなる時代でした。私の世代は卸問屋に必要なものを注文すれば、その日のうちに少量でも届けてくれるのが慣習になっていますので、市場の競りで引き当てを行わなくても木材の仕入れができます。さらに私は建材と住設の卸問屋で修行しましたので全く木材の市場には疎遠だったのです。

木曽視察の2日目は、木曽官材市売共同組合の市場を見学しました。ちょうど一年で一番大きな市の日に当たり、全国から買い付けをする人たちが集まっていました。現物を見て値段をつけ、競りをして仕入する商いの慣習が今もあるからです。

製材された天然の木曽桧は杢目が細かく(写真)良質な材料であることがよくわかります。前日の赤沢の森の視察で木曽の300年生の立木の太さが、他で見る植林した桧の90年生くらいと同じ太さに感じましたので、杢目のつまり方は約3分の一程度(10ミリの中に杢目10本以上)であるのがよくわかります。

柱や鴨居、敷居といった造作に無垢のまま使うのは、伊勢神宮を代表とした寺社建築や高級店舗のカウンターなどが主で、断面寸法の大きなものは単板用途になるとの事です。

私の会社では年に1,2回程度寺社関係の工事の際に手当てをするくらいです。

上松の土場には切り出された桧やサワラの原木が積まれています。こちらでも輪切りになった原木の元口を見ると杢目のつまった様子(写真)がよくわかります。

杢目のつまった木曽桧は製材後の狂いが少ない為、建築用材としてだけでなく、卓球のラケットなど様々な用途で活躍しています。

池田浩康

カテゴリー : その他
2017.8.2 19:00

私は材木屋の店主ですが、木材の産地を見る機会はほとんどありませんでした。最近は青梅の中島林業さんとお付き合いをするようになり、山、原木市場、製材工場に出かけていますが、その他の産地に行く機会はなかなかないものです。 今回は、材木屋ならば一度は体感してみたいと思う木曽桧を視察させていただく機会を得ました。 私の妻(当社総務部長で今回同行しました)の父方で縁がある新津清亮さんが昨年林野庁の木曽森林管理署長として赴任されたことがきっかけです。 木曽は国有林です。建築用材として最高の木材、木曽桧の産地を管理されている責任者のお話を伺い、一緒に森や市場を体感できる貴重な視察となりました。 以下私なりに理解できた木曽の森や木の話を書き留めてみます。 ①古くから木曽の桧は強度のある良質な木材とされていた。 ②西暦1600年前後の時代には豊臣秀吉や尾張徳川藩が直轄地として、築城や船舶、土木の材料として大量に伐採した為、山が荒れて樹木が少なくなってしまった。 ③江戸時代には住民の立ち入りを禁ずる「留山」、「停止木(ちょうじぼく)」としてヒノキ、サワラ、アスナロ、コウヤマキ、ネズコの5木の伐採を禁ずるなど厳しい森林保護政策が行われた。 ④残った木々から落ちる種から芽生えた新しい木々(実生稚樹木)の成長を見守り続けた。 ⑤一般的な植林や間伐、枝うちなど人が手を入れた人工林ではなく、木曽の桧は自然に芽生えた木々の自然な成長を見守り続けた天然林。 ⑥その後も明治時代には皇室の御料林、伊勢神宮の遷宮用備林、昭和の時代は国有林の保安林として見守り続けられている。 ⑦現在300年程度の樹齢になっている木々はそのような見守りの成果である。 これからの時代は、豊臣や徳川の時代の伐採以前の天然林の森の姿に戻るよう、新しく芽生える木々の成長をゆっくり見守りつつ、少しづつ成長した木々を大切に資源として活用していくそうです。「もともとの森へ、ここにしかない森 木曽悠久の森」の考え方です。 視察した300年生の木の足元には、芽生えたばかりの1年生、5年生といった木々がありました。新津さんの話を聞いて足元に注意して歩くようになりました。せっかく芽生えたものを踏みつぶしたら大変だと感じたからです。 古くから残る大量伐採の跡や、伊勢神宮の遷宮に使われる御神木の伐採の跡、学術研究の試みなども見て、今までの木曽の森、これからの森の姿を学びました。 池田浩康

カテゴリー : その他
2017.7.15 11:10

JERCO(日本住宅リフォーム産業協会)主催の講習会を聴講しました。

「暑い夏の最適リフォーム提案は遮熱対策と通風活用で決まり!」という内容です。

窓のCMでおなじみのYKKAP㈱商品開発部の宮川室長、鹿児島大学工学部建築科二宮教授が講師です。

話を聞いてそうなんだと思った言葉を羅列してみます。

①換気は空気質の改善に役立つ、通風は温熱環境の改善に役立つ

②欄間(らんま)は風の通り道(通風)には効果的

②東京では夏は海から、冬は海に向かって風が吹く

③家に入ってくる熱の74%は窓から、出ていく熱の54%は窓から(断熱がしっかりされている住宅の場合)

④人間は寒さより暑さに耐えられない 平均体温37度 上限41度、下限28度。

⑤人間の代謝エネルギーは冬は体を温める効果がある、夏は熱を捨てられないために体から熱を捨てられない状況。

⑥東京では40日/年間が夜間最低気温25度以上の熱帯夜

⑦高齢者の家の中での熱中症の原因は、トイレに行きたくないので水を飲まない、冷房が嫌いなので(電気代がかかるので)エアコンをつけない、防犯のために窓を閉め切っているなど。

⑧マンションなどの集合住宅より、木造の住宅やアパートの方が睡眠障害の人の割合が多い

⑨日射の遮蔽は窓の内側での処置より窓の外側での処置の方が効果が大きい

話を聞いてみて私達ができそうなことを思い浮かべました。

①家の中の整理の助言、不要物の処分のお手伝い、家の中をすっきりして風通しの良い環境を作ること。家の現状を分かりやすくすること。

②すっきりしたところで建物の性能が劣化したり充分ではないところを改善すること。窓の開閉の不具合や破損の修理・交換、床下や壁、天井、屋根裏の断熱の確認・是正、換気扇やエアコンの点検・修理・交換、熱を出す電球の交換など。

③窓や床、壁、天井の断熱化をすることでエアコンの効果を上げ、少しの電気代で涼しい環境を得られるようにする。

防犯を気にしなくて良い形で通風できる窓にする。

窓の外に葦簀(よしず)や簾(すだれ)などが取付けしやすい環境を作る。

まずは家の中の片づけをすると、風遠しだけではなく、家の中でのつまづきなどの事故対策にもなると思います。

高齢の方だけではなく、若い世代も同じだと思います。

池田浩康

 

 

 

カテゴリー : リフォーム
2017.7.11 14:03

品川区では、品川区民が品川区内の施工業者に区の求める改修工事を含む工事を依頼した場合、最大20万円を助成をする制度を設けています。

当社では品川区内での工事依頼に際しては、積極的にこの制度をお客様に提案して申請していただいています。

詳しくは品川区のこの事業のホームページ、または区役所や地域センターに置いてあるパンフレットをご覧下さい。

今までの経験からすると、品川区の求める要件はごく当たり前のものが多く、品川区民であれば、どなたでも助成対象になりやすいと思います。

賃貸住宅個人オーナーやマンションの管理組合を対象に100万円の助成を行う制度もあります。

池田浩康

カテゴリー : その他
2017.5.8 14:26

このブログの「リモデル事業部の新事務所紹介」や「わくわくミーティング」で書いた「ゆっくりの階段」ってどんな階段なの?という問い合わせをいただきました。

図面を添付します。

一段一段の上がる高さは変わりません。踏むところが1.5倍くらい広くなっていて階段全体がゆっくりに感じます。

狭小住宅の多い品川の古い家では2.73m、あるいは0.75坪の階段スペースで2階まで上がるように作ってあるものが多く、急な階段になっています。比較的新しい家でも、3.64m、あるいは1坪の階段スペースで上がるように作られています。

2倍の5.46m、1.5坪の階段スペースで上がるとゆっくりした階段になります。

その分部屋や押し入れなどは少なくなります。

お子様方が就職や結婚などで家を出られて、ご夫婦お二人暮らしになるなどの機会に2階の日当たりのよいスペースを日常的なところにするのはよくある話です。

その際に押入などを減らして階段スペースにして、ゆっくりな階段にしておけば、歳を重ねられた後も楽に2階に上がることができる階段になります。

当社のリモデル事業部の事務所にそのような階段を作ってみました。実際に上り降りしていただくことができます。

池田浩康